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離婚事例紹介

6年別居後の有責配偶者からの離婚請求が認められた事例

裁判例の紹介

今回紹介する裁判例は、東京地判平成15年6月12日の裁判例です。

事案の概要

まず、夫婦は昭和53年に結婚、昭和55年に長男、昭和56年に長女が産まれました。

しかしながら、夫は女性問題がある、競馬やパチンコなどのギャンブルで300万円以上を費消し、夫婦喧嘩が耐えず、妻や子どもに暴力をふるったこともあり、妻は性交渉を拒絶するようになりました。

そして、平成9年から別居を開始し、その後、夫から妻に対して離婚の請求がされました。

平成15年の判決ですので、判決時には別居から約6年が経過していました。

婚姻関係が破たんしていても有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則

まず、今回のケースでは、妻は同居も拒否しており、夫婦の婚姻関係は破たんしていると言えるでしょう。

こういったケースで、妻から離婚を求めれば当然離婚は認められるでしょう。

しかしながら夫から離婚を求めるのはどうでしょうか。

婚姻関係が破たんしていると言っても、破たんの原因を作った人物からの離婚請求を認める、というのはちょっとおかしいと思いませんか。

裁判所もそう考えていて、婚姻関係破たんの原因を作った側からの離婚請求は原則として認めていません。

しかしながら裁判所は離婚を認めた

ところが、今回のケースでは裁判所は離婚を認めました。

不当判決というわけでもありませんし、弁護士の目線からすると、ある意味当然といえる結果です。

有責配偶者からの離婚を認める条件

有責配偶者からの離婚請求が全て認められないわけではありません。

別居期間が相当長期に及んでいて、ある程度の条件がクリアされれば、さすがに裁判所としても離婚を認める傾向にあります。

その条件は以下の3つです。

 

(1)相当長期の別居期間があるかどうか

(2)未成熟子がいるか

(3)離婚を認めたことによって経済的に過酷な状況に追い込まれないか

 

今回の判決では、

 

(1)別居期間が6年近くの長期に及んでいること

(2)二人の子どもは成人していること

(3)慰謝料や財産分与によりある程度の財産を求めることができ、妻は離婚によって生活がたちいかなくなるような事態にはならないこと

 

の3点から離婚が認められました。

離婚の問題とお金の問題は関連している

離婚の問題とお金の問題は密接に関連しています。

ときどき、相手を経済的に困窮させ、いわば兵糧攻めのような状態にして離婚をさせようと画策する人がいます。

これは間違っていると言わざるを得ません。

そんなことをすれば、相手は余計意固地になりますので円満離婚というのは到底望めません。

裁判所も、こういったひどいことをする人からの請求を容易に認めはしません。

離婚の問題とお金の問題は密接に関連していますので、離婚を求めるときはお金のこともきっちり話し合うことが重要です。

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