調停離婚を有利に進めるための方法
離婚調停とは
離婚調停とは、家庭裁判所で行う手続きで、夫婦の離婚問題について第三者である調停委員を混ぜた話し合いです。
離婚調停では、調停委員が夫婦それぞれの主張をきいて、話がうまくまとまるように調整してくれます。
ただし、離婚調停の成立には夫婦双方の合意が必要となります。そのため、夫婦のうちどちらかが調停委員が何を言おうと絶対に離婚には応じないという態度を崩さない場合には調停は成立しません。
調停委員は調停が成立するように尽力する
調停委員は、調停がなんとか成立するように尽力します。
たとえば妻が慰謝料500万円を払えば離婚するといっているのに対し、夫が慰謝料は1円も払いたくないが離婚したい、といった場合に、「双方の主張が一致しませんので調停不成立です」とはなりません。
調停委員は双方の主張が溝がうまらないか模索してくれます。
話をまったく聞かない人に譲歩させることはできない
調停委員はなんとか調停が成立しないかと尽力しますが、調停委員から何を言われても絶対に聞かないぞという態度を崩さない人を説得することはできません。
すると、しばしば相手方が話をきかない人だからといって、理性的な判断をできる人にばかり譲歩を求めてくることがあります。
調停のポイント1~相手がめちゃくちゃな主張をしてきたら徹底的に戦う~
離婚調停のポイント第1は、相手のめちゃくちゃな主張に対して譲歩はしてはいけない、という点です。
相手がめちゃくちゃな主張をしてきて、こちらがしぶしぶながら相手の言い分を受け入れたら相手とすると、「こいつはどんな主張をしても受け入れるようなやつだからどんどん強い主張をしてやろう」という気持ちになるでしょうし、調停委員としても「この人はかなり譲歩してくれる人だから」調停成立のためにはこっちを譲歩させればいいんだと思うでしょう。
こうなると、どんどん理不尽な要求をされてしまいます。
相手のめちゃくちゃな主張に対しては断固として戦わなければなりません。
離婚調停は弁護士などの代理人をつけずにすることもできますが、相手の押しが強くて負けてしまいそうと感じている人はできるだけ早期に弁護士に依頼をしてください。
相手の言うがままに進んでしまっている調停というのはしばしば見受けられます。
調停委員は中立ですが、かといって機械ではありませんので完全中立・絶対公正な存在でもありません。
法的に通らないような主張がされた場合でも離婚調停の成立のために、こちらに譲歩を求めてくるケースもありますので注意が必要です。
調停のポイント2~法的に正当な主張を行って調停委員を味方につける~
調停を行う際に注意が必要なのは、こちらの主張で絶対に曲げてはいけない点は曲げてはいけないのですが、かといって調停委員とケンカしてもいけないということです。
調停委員はあくまでも第三者です。
相手方の主張を伝えてはくれますが、相手方の代理人ではありません。
調停を有利にすすめるにあたっては調停委員を味方につけることが重要です。
調停委員を味方につけるにはどうすれば良いでしょうか?
わいろを渡そうと思った方はちょっと待って。そもそも調停委員は袖の下なんて受け取りませんし、そんなことを試みれば一気に心証は悪化します。
調停委員を味方につける方法は、法的に正当な主張を行う、これに尽きます。
「私は婚姻を継続し難い重大な事由があるので離婚できると思っていますし、慰謝料の獲得もできる自信があるので相手が受け入れないのであれば訴訟で戦っても構いません」
と、このように相応の法的根拠をもって主張すれば調停委員とすると、法律をちゃんとわかってるこっちを説得するのは無理だ、そうであれば相手を説得しよう、となるでしょう。
「~~さん、あなた離婚したいなら慰謝料を払えと言ってますが、今回の件であなたは慰謝料を請求できる側ではなくて、そもそも慰謝料を支払う側ですよ。相手も離婚に応じないなら訴訟だと言っていますし、そうなったら相手方の主張が認められる可能性は十分考えられますよ。訴訟になって多額の慰謝料を支払うことになるくらいならこの段階で譲歩してはいかがですか」
と、このような感じで説得を試みてくれるでしょう。
調停委員を味方につけるためのポイントは、法的に正当な主張を行うことです。
法的に通らない主張を押し通そうとしても調停委員は「じゃあ、とりあえず相手に伝えてみますね」→「相手は拒否しましたよ」とろくに説得も試みないでしょう。
離婚調停で弁護士をつけるべき理由の第二は、自分の主張が法的に正当な主張かどうかを判断するためです。
調停のポイント3~最後は譲歩も必要~
調停というのはあくまでも話し合いです。
最初から譲歩する必要はありませんが、最終的には何らかの譲歩が求められるでしょう。
こちらの主張だけを押し通そうとしても、相手は容易に応じないでしょう。
まずは相手方を追い詰めることが重要ですが、追い詰められた相手方に逃げ道を用意せずに全面降伏を求めても「それならこっちも徹底的にやってやる」と、不必要な訴訟までやらされたあげく、調停時とほとんど変化がない成果しか得られなかったという骨折り損に終わることもあります。
しかし、いつ譲歩するのか、どの場面で譲歩するのかはかなり難しい判断になります。
調停委員を通して相手の思考を想像し、最善のタイミングで最小限の譲歩をする必要があるのです。
離婚調停で弁護士をつけるべき理由の第三は、この押し引きのタイミング、どこを押してどこを譲歩すべきかの専門的判断が重要だからです。
離婚調停は弁護士をつけずにすることもできるが、弁護士を雇うべき
離婚調停は弁護士をつけず、自分一人ですることもできます。
しかしながら、上述のように弁護士をいれることによって戦略的に行動することが重要です。
アウル東京法律事務所では離婚調停(途中でも可)からのご依頼もお受けしております。
お悩みの方はまずは弁護士にご相談ください。