慰謝料請求をされたときは冷静に対処しましょう~あせって示談をして失敗してたケース~
慰謝料
不倫をしていたらそれがバレてしまい、不倫相手の配偶者、あるいは配偶者が雇った弁護士から慰謝料の請求が来ることがあります。
そして、慰謝料請求がされるとパニックになってしまう方が多いです。
もちろん、それ自体は仕方ないことです。
しかしながら、こういったときこそ冷静になりましょう。
一番よくない対処:相手の言いなりになってしまうこと
何の罪悪感もなく、不倫をしている方は通常いません(なんの罪悪感もないのなら、むしろ、反社会性パーソナリティ障害の可能性がありえます)。
悪いことをしているという認識がある状態で、お前はなんて悪いことをしたんだと責め立てられると、相手に許しを請い、言いなりになってしまう方もいます。
もちろん、悪いことをしたということは間違いありません。
しかしながら、だからといって相手の言いなりになってしまうことは良くありません。
以下で、相手の言いなりになってしまい失敗したケースをご紹介します。
とにかくこの問題から解放されたいと思って相手の主張を全て飲んでしまって事態が悪化したケース
相手の言いなりになってしまって、慰謝料を相手の主張通り支払い、示談書も相手の言うとおりのものにサインしてしまったというケースに遭遇したことがあります。
もちろん、まっとうな示談書であれば問題ないのですがこのケースでは示談書の内容に問題がありました。
それは、今後、メールなどで連絡を取り合うことがあったら、1回あたり数十万円を支払うというものです。
不倫相手から連絡が来ても、絶対に何も返さないという強い意思があれば良いのですがなかなかそういった意識は続かないものです。
示談をした後に不倫相手から連絡がきて、何も返さないのは悪いなと思って返答をしてしまい、「約束をやぶったな、違約金合計数百万円を支払え」と訴訟されてしまったケースもあります。
弁護士が入っていれば、『正当な理由がないにもかかわらず』接触した場合に違約金を支払うとすることが多いのですが、慰謝料を請求した人も、慰謝料請求をされた人も、互いに素人であったためにこういった一定の縛りは入れず、よく検討せずに示談してしまったのが原因でした。
この問題に頭を悩まされたくないという思いから相手の言いなりになって示談をしたのに、結果、問題がさらに長続きして金銭的負担も増大してしまったということになってしまったのです。
このように、もうこの問題から離れたいという思いでした行動が裏目に出ることがあります。
慰謝料請求をされたときはパニックにならずまず弁護士に相談を
慰謝料請求をされたら、まずは弁護士に相談してください。
相手の要求する金額をそのまま支払う、という場合でも弁護士に依頼するのは無駄ではありません。
パニック状態で行動することは一番避けるべきことです。
頭が整理できていない状態で問題解決にあたると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
アウル東京法律事務所では、慰謝料請求されてしまった場合の法律相談を無料で行っております。
電話相談も可能ですので、焦らず、まずは弁護士にご相談ください。
文責:弁護士 今村 幸正
その他のコラム
コロナ離婚とお金の話「もう一緒にいるのが限界……」と感じたら
その他コロナ離婚が増えている? 今、離婚を選ぶ夫婦が増えています。 もともと3組に1組は離婚するともいわれている時代ですが、このコロナ禍にあって、そうした傾向はますます強くなってきているようです。 ワイドショーなどで「コロナ離婚」という言葉を聞いたことをある方もいると思いますが、実際テレワークの導入が進んだあたりから離婚の相談件数が増えてきています。 その原因の1つといわれているのが、「ストレス」です。 感染拡大...
夫(妻)となんとなく合わない… 離婚の慰謝料請求は認められる?
離婚離婚の慰謝料請求を認めてもらうための条件とは 「離婚したい」と思い始めた方にとって、パートナーに慰謝料の請求ができるかどうかは重要な問題といえるのではないでしょうか。まとまった金額の慰謝料をもらえることで多少傷ついた気持ちが落ち着いたり、新生活に向けての金銭的な準備ができたり、といったこともあるかもしれません。 しかし、すべての離婚で慰謝料の請求が認めてもらえるとは限りません。というのも、慰謝料請求が認められるのは「相手が...
婚約破棄をしたら慰謝料を請求された!慰謝料を支払わないとダメな場合はどんなとき?
その他婚約破棄をした事情によっては慰謝料を請求される可能性がある いわゆる婚約とは、法律上は、カップルが結婚する意思を互いに確認することをいいます。 婚約を成立させるためには特に法的な知識や儀式は必要ではなく、極端な話、当事者の口約束だけでも成立します。 婚約指輪の授受や結納の儀式がなくても、プロポーズを受け入れればそれで婚約成立です。 婚約は法的な約束であり、いったん成立すると、その当事者は法律上の責任を負います。将来の結...
パパ活がパパの奥さんにバレた!慰謝料請求されるって本当?
その他パパ活と不倫は違うもの? いわゆるパパ活は、女性がパパと呼ばれる男性と一緒に食事などをして、その対価としてお金を受け取ることをいいます。 ちなみに男性が女性からお金を受け取って同様の行為をすることはママ活といわれます。 パパ活は手軽なバイト? パパ活の最大の特徴は、手軽さです。専用のマッチングアプリもあり、パパとなる男性と簡単にやりとりできる環境ができてしまっています。 さらに「食事やデートするだけで...
離婚の慰謝料がもらえる場合でも子どもの親権がとれないことがあるってホント?
離婚子どもがいる家庭では親権争いが起きやすい 未成年の子どもがいる家庭では、離婚時に子どもの親権をめぐって争いが起きる可能性があります。 離婚の条件をめぐる争いの中でも、親権は慰謝料・財産分与といったお金の問題と並んで問題になりやすいトピックといえるでしょう。 離婚慰謝料をとれる場合でも親権が認められない場合もある ここで、注意しなければならないのは、離婚慰謝料と親権の問題は分けて考えなければならないという...