「もう別居したい…!」と思ったら~家を出る前に考えなければならないこと |東京新宿の慰謝料請求に強い弁護士

「もう別居したい…!」と思ったら~家を出る前に考えなければならないこと

まず別居することが重要

 「離婚したい」という方が相談に来られた場合、私たちとしては「まずは別居されてはどうですか?」と提案することも多いです。
 というのも、別居していた方が離婚の調停や裁判で有利な判断がされやすくなるからです。
 特に別居期間が何年も続いていたような場合は「婚姻関係が破綻している」と認定され、「婚姻関係を継続し難い重要な事由」があるとして裁判でも離婚を争えるようになります。
 またパートナーからDVやモラハラの被害を受けている場合は、自分の身を守るためにも、とにかく相手から離れることが大切です。
 

別居後の生活について

 別居を検討する場合、まずやらなければいけないのが住む場所の確保、および今後の生活の見通しを立てることです。
 

住む場所の確保について

 あてもなく家を出てしまうと、その先の生活が成り立たなくなってしまいます。
 別居をするつもりがあるのであれば、実家や兄弟姉妹のもとに身を寄せる、新たにアパートを借りるなど、住む場所についてはあらかじめ考えておく必要があるかもしれません。
 DVから逃げる場合はDV被害者向けのシェルターに一時的に入所するという選択肢もあります。
 DV被害を受けている方は配偶者暴力相談支援センターや弁護士に相談してみましょう。
 また逃げた先や別居先まで相手が押しかけてくる危険がある場合は、ストーカー規制法や裁判所の保護命令、さらに民事執行法上の接近禁止命令などを活用して身を守る方法もあります。
 落ち着いた環境で生活するためにも、法律や専門家の助けを積極的に借りていきましょう。
 

別居中の生活費について

 「自立できるだけの収入がない」という方もいるかもしれませんが、その場合は相手に婚姻費用を請求することができます。
 婚姻費用は簡単に言ってしまうと、別居中の生活費のことです。
 夫婦にはお互いの生活に必要な費用を出し合う義務があります。
 これは別居中でも同様です。
 収入が多い配偶者には自分と同じ程度の生活を相手に送らせるために、必要な生活費を支払う義務があるのです。
 婚姻費用を請求できそうな場合は相手ときちんと話し合い、合意した内容を公正証書の形で残しておきましょう。
 相手と話し合いをするのが難しい場合や相手が支払いを拒否している場合は、家庭裁判所の調停や審判を活用する方法もあります。
 状況によっては、家庭裁判所への申立ても検討してみてください。
 実際にもらえる婚姻費用の金額は子どもの有無や夫婦の収入状況などによって変わりますが、一応の目安となる金額は「改訂標準算定方式・算定表」で確認できます。
 興味がある方は裁判所のホームページからダウンロードしてみるのもよいかもしれません。
 なお婚姻費用の金額は、別居の原因をどちらが作ったのかによっても変わります。
 夫婦関係を壊した原因を作った側(有責配偶者)が婚姻費用を請求した場合には、そもそも請求が認められなかったり、金額が減額されたりする可能性があります。
 

子どもがいる場合の注意点について

 子どもがいる場合、子どもをどうするについても考えておかなければなりません。
 特に「子どもを手放したくない」「親権がほしい」と思った場合は、ここで適切な行動をとる必要があります。
 親権をどうするかについては、子どもの幸せや生育環境を考えて決められます。
 別居前に子どもの面倒を見ていたのは誰か、親の経済力はどうかなどの点を総合考慮して判断され、さらに子どもの意思も重要になります。
 別居後に無理やりパートナーのところから連れ去るなどの行為をすると、後に親権争いで不利益に働く可能性もあるので注意しましょう。
 

離婚の慰謝料について

 浮気やDV・モラハラといった相手の問題行動が原因で家を出る決意をした場合、離婚時には慰謝料の請求が認められる可能性があります。
 具体的な金額は離婚に至った事情や相手の社会的地位・収入、未成年の子どもの有無などを考慮して決定されますが、およそ数十万円~300万円程度が相場です。
 

同居している間にやるべきことについて

 相手のDVや浮気などが離婚の原因になっている場合は、慰謝料をとるためにも、相手に離婚を認めさせるためにも、証拠を集めることが大切です。慰謝料請求でも離婚の訴えでも、相手に自分の請求を認めさせるためには、相手の問題行動を証明するための証拠が必要になります。 
 別居後に集めるのが難しくなってしまう証拠もありますので、会話の録音データ、LINEのスクショなど同居中に集めないといけない証拠は早めに集めておきましょう。
 また婚姻費用を請求することなども考えると、相手の収入や財産についての情報を集めておくことも大切です。
同居している間に、相手名義の銀行口座や証券口座、源泉徴収票など相手の財産把握に役立つ資料をコッソリそろえておきましょう。
 これらの資料がそろっていれば財産分与の手続きもやりやすくなりますし、相手が婚姻費用を払ってくれないときに強制執行をかけること(給料の差押など)もできるようになります。
 

別居で後悔しないためには事前の準備が重要に

 別居後スムーズに新しい生活を始めるためにも、事前の準備は意外に重要です。
 ただDV被害を受けている場合のように一刻も早く逃げた方がいいケースもありますので、実際にどこまで準備をしておくべきかについては状況に応じても異なります。
 相手の浮気が疑われるようなケースでは浮気の証拠を集めてから別居に踏み切った方がよいかもしれません。
 一方、緊急性が高い場合は、現金や身分証明書・健康保険証、当座の着替え、子どもの学用品といった必要最低限のものだけを持って逃げる勇気も必要です。
 ときに弁護士など専門家の意見も聞きながら、自分にとってベストな選択肢を探してみましょう。

その他のコラム

妊娠中絶した場合に慰謝料請求は可能か

妊娠中絶をした場合に慰謝料はもらえるか 女性が妊娠した後、何らかの事情によって中絶を余儀なくされることがあります。男性側の無責任な態度、あるいは「中絶してほしい」という要望が原因で妊娠中絶に至った場合、女性側の精神的な苦痛は大きいものです。 できれば男性側に「慰謝料の請求をしたい」と考える人もいるのではないでしょうか。 ここでは、妊娠中絶と慰謝料請求の可否について、ケースごとに紹介します。   妊娠中絶の費...

夫のパパ活が発覚!離婚したり慰謝料をもらったりすることはできる?

夫のパパ活が発覚したら ニュースで社会現象として取り上げられることも多いパパ活。しかし、ニュースで他人事として見る分にはともかく、当事者である「パパ」の側の家族にとってはショッキングな出来事です。 夫がパパ活をしていたことが発覚し、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 夫婦間の話し合いで解決できればよいのですが、「夫が自分の話を聞いてくれない」というケースだと、妻の側としては困ってしまいます。 さらに「そもそもパパ...

ダブル不倫の帰結とは~関係が発覚した後に起きること

ダブル不倫の定義 いわゆるダブル不倫とは、「不倫の当事者双方が既婚者である場合」をいいます。つまり、当事者双方に配偶者がおり、それぞれの配偶者が不倫の被害者、すなわちサレ妻・サレ夫になるケースです。 被害者の人数が増えること、および双方の家庭を巻き込んだ不倫になることから、周囲にバレるリスクも高く、かつバレた後は事態が泥沼化しやすいという特徴があります。 なお、ここでいう「不倫」とは民法上の不貞行為、すなわち現在の配偶者...

結婚中、異性との交流はどこまで許される?~不倫とそうではない行為との境界線

そもそも不倫って  いわゆる不倫のことを、法律上は不貞行為といいます。  夫婦(事実婚を含む)には、お互い他の相手と性交渉を持たないという貞操義務が存在します。  この義務に違反し、他の相手と肉体関係を持つ行為が不貞行為です。  不貞行為は民法上の不法行為にあたり、不貞行為をされた側は、不法行為をした側(パートナー、浮気相手)に慰謝料を請求することができます。  また不貞行為は法定離婚事由にも該当するため、浮気があっ...

夫の浮気相手が慰謝料を請求してきた!支払わないとダメなケースがあるって本当?

浮気相手の慰謝料請求が認められるケースがある 信じていた夫の不倫は、妻にとってはショックの大きい出来事です。浮気相手、さらには夫に「慰謝料の請求をしたい」「謝ってほしい」という方も多いと思います。 もっとも一言で浮気といっても事情は人それぞれです。浮気に至った経緯や夫の振る舞いによっては、浮気相手の方にも言い分があるかもしれません。こうした事情が認められる場合には、浮気相手から夫への慰謝料請求が認められる可能性もあります。...

慰謝料請求でひとりで悩まずまずはご相談

初回60分相談無料

フリーダイヤル

0120-914-763

(土日祝日も受付中)

メールでのお問合せ24時間受付中