モラハラ夫にご用心
その他それ、モラハラかもしれません
何かあるたびに「お前が悪い」と責められる、体型や顔などを侮辱する、自分の考えを否定される、気に入らないことがあると無視する、束縛がひどい……。
こういったパートナーの心ない言葉や態度に振り回されたり、傷つけられていたりしていませんか。
それ、もしかしたら立派なモラハラかもしれません。
モラハラはDVの一種で、言葉や態度による精神的なDVです。
被害を受けているうちに加害者に洗脳され、被害を受けていることに気づけなくなってしまう可能性も。
「ウチは大丈夫」と思っている方も、一度ふだんの家庭生活を振り返ってみてください。
- 相手の顔色をつい窺ってしまう
- 相手の帰宅時間が近づくと落ち着かなくなる
- 相手と過ごす時間が苦痛である
もし1つでもあてはまる症状があったら、信頼できる友人や知人、専門機関に相談してみてもよいかもしれません。
そして、第三者に「それ、モラハラじゃないの……?」と指摘された場合は、離婚も視野に入れて行動を開始することをおすすめします。
加害者のモラハラ気質を改善させるのは難しく、黙って我慢していると事態が悪化してしまうおそれもあります。
モラハラの証拠を集める、仕事を探して経済的に自立するなど、ときに専門家の助けを借りながら相手と距離をとる準備を始めましょう。
とりあえずいったん家を出てしまい、それから考えるのもよいと思います。
専業主婦の場合も、相手に対して別居中の生活費(婚姻費用)を請求することは可能ですので、お金の面は心配しなくても大丈夫です。
つらい気持ちを我慢しない、そして自分の身の安全を守ることを第一に考える。
これがモラハラ夫と戦う基本的な方針となります。
知っておきたいモラハラと慰謝料
モラハラが原因で離婚した場合、慰謝料を請求できる可能性があります。
実際に請求できる金額については相手の収入、モラハラの内容、被害を受けた期間などによって異なりますが、およそ100~300万円くらいが相場だといわれています。
相手の社会的地位が高く経済力がある場合、長期間にわたってひどいモラハラを受けたような場合は、高額な慰謝料が認められる可能性もあるでしょう。
しかしモラハラの加害者はプライドも高く、自分の非を認めません。
肉体的な暴力のように目に見える傷が残るわけでもないので、被害を裁判所に認めてもらうには立証に必要な証拠をしっかりと集めておく必要があります。
- 暴言を録音する
- メモや日記に相手の言動を記録する
- SNSのスクリーンショットやメールを保存する
- 心療内科や精神科に通院した場合は医師の診断書など
相手に慰謝料を払ってもらうためにも、離婚を実現するためにも、モラハラ被害を証明できるような証拠をそろえましょう。
逃げるのが正義!モラハラ夫との戦い方
モラハラの加害者はゆがんだ価値観や認知に基づいて行動しているため、「話せばわかる」と考えるのは間違いです。
子どもがいる、経済的な不安があるなどさまざまな事情を抱えた方がいるかとは思いますが、だからといってモラハラをこのまま我慢し続けてもいいことはありません。
「自分が悪いから」と思わず、迷わず距離をとるのが正解です。
まずは別居のため家を出て、相手との接触を断ちましょう。
この時点で弁護士に介入してもらえば、以後は相手の連絡関係をすべて弁護士に任せることができ、離婚手続きに伴う精神的な負担を軽減できます。さらに慰謝料や養育費をめぐる交渉も、1人でやるより有利に進められるかもしれません。
モラハラ行為だけでは離婚が難しい場合も、別居期間が2~3年続けば裁判所で離婚が認められやすくなります。
やっかいな相手と縁を切り、新しい生活をスタートさせるためにもまずは「逃げる」ことが大切。
特に子どもがいる場合はモラハラの悪影響が、子どもにまで及んでしまう危険もありますので……。
子どもを守るためにも、我慢せずに逃げるべきなのです。
ちなみに今回はモラハラ夫について扱いましたが、モラハラ妻もいます。
もしパートナーの言動が「モラハラかも?」と思ったら、早めに相手と距離をとり、さらに弁護士にも相談することをおすすめします。
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