コロナ離婚とお金の話「もう一緒にいるのが限界……」と感じたら
その他コロナ離婚が増えている?
今、離婚を選ぶ夫婦が増えています。
もともと3組に1組は離婚するともいわれている時代ですが、このコロナ禍にあって、そうした傾向はますます強くなってきているようです。
ワイドショーなどで「コロナ離婚」という言葉を聞いたことをある方もいると思いますが、実際テレワークの導入が進んだあたりから離婚の相談件数が増えてきています。
その原因の1つといわれているのが、「ストレス」です。
感染拡大で自宅にこもって過ごす時間が増える、生活パターンが変わる、といった点でストレスが溜まって、相手との関係がギクシャクしてしまう、といったことがあるようですね。
また、在宅勤務なのに家事や育児を手伝ってくれない、相手との価値観が合わないことに気づいてしまった、といったように、これまで見えなかった相手の嫌な面に気づいてしまったというケースも……。
加えて、不況に伴う経済的な不安も、平和な家庭生活を脅かす要素の1つになってくるかもしれません。
もちろん2人で話し合って、夫婦関係の改善を目指すというのも1つの道でしょう。
ただ、なかには「どうしても一緒にいたくない」「相手と別の人生を生きていきたい」という方もいるかもしれません。
その場合はやはり、離婚や別居というのは人生をより充実させるための選択肢としては「あり」だと思います。
コロナ離婚とお金の話
さて、コロナ離婚という選択肢を選んだ場合に、まず考えなければならないのがお金の問題です。
生きていくためにはお金は必要不可欠なものですし、この厳しい経済情勢の中ではなおさら気になる……という人も多いのではないでしょうか。
ここでは、特に離婚時に問題になりやすいお金の話題を3つほどピックアップして解説したいと思います。
①慰謝料
まず慰謝料が取れる場合というのは、一方の配偶者に離婚の原因があるケースです。
浮気やDV、モラハラなどがあったケースでは、慰謝料を請求できる可能性があります。
一方、性格の不一致や価値観の違いが原因で離婚する場合はどちらが悪いともいえないケースですので、慰謝料の請求はできません。
なお実際の慰謝料の金額については、子供の有無や受けた精神的苦痛の程度などによって変わってきますが、おおむね数十万~300万円程度が相場です。もっとも行為の悪質度と相手の収入によっては、相場より高額の慰謝料が認められる場合もあります。
②住宅ローン
離婚時の財産分与では、住宅ローンが問題になりやすいです。
主にマイホームを誰がもらうのか、毎月のローンを誰が払うのか、という2点が解決するべき課題になります。
基本的に、マイホームの名義はローンを支払った方のものになるので、ローンの支払いをしている人と住んでいる人が違う場合は少し厄介なことになるかもしれません。
また2人でローンを支払っている場合、または片方が連帯保証人になっているような場合、金融機関と相談してローンの債務者を変更する手続きや連帯保証を外す手続きが必要になります。
さらに、マイホームの評価額によっては不動産をもらった側がもう片方にその分の現金を支払う必要があるため、場合によってはマイホームを売却して精算した方がよいこともあります。
なお、ローンの残高がマイホームの評価額より高い、ローンを1人で払い切る自信がないという場合は思い切って債務整理をすることも検討するべきかもしれません。
③婚姻費用
「離婚する前に、とりあえず別居したい」という場合は、別居中の配偶者に婚姻費用を請求できます。
これは夫婦にはお互いに必要な生活費を出し合う義務があるからです。
実際に請求できる婚姻費用は夫婦の収入、別居に至った原因などを考慮して決まります。
なおコロナ禍におけるストレスのせいなのか、DV・モラハラの被害に遭う方が増加中です。
DVやモラハラの被害を受けている場合は、一刻も早く家を出て安全な場所まで逃げるとともに弁護士にもご相談ください。別居に伴う生活費(婚姻費用)の請求や相手との交渉・連絡は弁護士が行います。お金のことは意外とどうにかなりますので、まずは身の安全確保を優先させていただければと思います。
その他のコラム
恋人の浮気が原因で別れたら慰謝料はもらえる?請求が認められる基準とは
その他恋人の浮気が発覚!慰謝料はもらえる? 彼氏(彼女)の浮気は、された側にとってはつらいものです。 おつきあいしている期間が長かった、結婚を考えている相手だったといった事情があるケースでは、なおさらです。 浮気がきっかけで別れることになったものの、このまま黙って身を引くのでは自分の気が済まないという方もいるかもしれません。 こうした場合に、まず思いつくのが「慰謝料を請求すること」だと思います。 ただ基本的に、浮気...
月々のお小遣いが1万円……経済的DVを理由に離婚できる?慰謝料は?
その他新生銀行が実施した「2021年サラリーマンのお小遣い調査」によると、子どもを持つ男性会社員で、妻が働いている世帯のお小遣いの平均額は3万1732円、共働き世帯の平均は3万1837円であることがわかりました。 さらに未就学児のみがいる世帯の男性会社員のお小遣い平均額は2万8368円です。 子育て世代はわずかなお小遣いで生活している様子がうかがい知れます。 なかには低すぎるお小遣いでお困りの方もいらっしゃるのではないでし...
夫の風俗通いが発覚!風俗嬢に慰謝料の請求はできるか?
その他夫の風俗通いが発覚した場合どうすればいい? 夫や恋人の風俗通いをいやがる女性は少なくありません。夫の風俗通いが発覚し、傷ついている方もいると思います。 「風俗は浮気のうちに入らない」と考えている方もいるようですが、「浮気の一種である」と考える人も当然いるはずです。夫の風俗通いが許せず、離婚や別居、慰謝料の請求を考えている人もいるかもしれません。 ここで問題になるのが、風俗嬢に慰謝料の請求ができるかということです。もっとも...
夫(妻)の浮気が発覚… 不倫相手に慰謝料を請求するには?
その他不倫は不法行為として慰謝料請求の対象に 夫(妻)の浮気が発覚した……。信じていたパートナーの裏切り行為はショックで、本当につらいものです。「浮気をしたパートナーも許せないが、不倫相手のことはもっと許せない」と考えるのは自然な流れだと思います。 ここで問題になってくるのが、不倫相手への慰謝料請求です。自分に精神的ショックを与えた浮気相手に対して、「謝ってほしい」「せめてお金で償ってほしい」と願う人も多いのではないでしょうか。...
パートナーが帰ってこない!!別居で慰謝料はもらえる
その他パートナーが家出した場合に慰謝料はもらえる? 仕事、介護など何らかの事情で夫婦が別居することはあります。 ただ、夫婦双方が納得している場合はいいですが、そうでない場合は問題です。 夫婦の一方が同居を望んでいるのに、パートナーが無理やり別居してしまった、あるいは愛人の家に入り浸って帰ってこないなどの事情がある場合、家で待つしかできない側としてはつらい気持ちで過ごされていることと思います。 実は、夫婦の同居は法律上の義務で...