配偶者が子どもを虐待しているかもしれないと思ったら |東京新宿の慰謝料請求に強い弁護士

配偶者が子どもを虐待しているかもしれないと思ったら

これってしつけ?それとも虐待?

 今、子どもへの虐待が社会問題化しています。ニュースなどで見たことがある方もいるかもしれませんが、実はこの問題では決して他人事ではありません。
たとえ親としては「しつけ」のつもりであったとしても、客観的に見ると虐待にあたるケースもあります。配偶者の子どもへの接し方に違和感を覚えたら、少し立ち止まって「虐待なのでは?」と疑うことも必要になるかもしれません。
 

そもそも虐待とは

 そもそも子どもの虐待とは、保護者が子どもに対して、子どもの心身を著しく傷つけるような言動を行うことをいいます。
 日本では、児童虐待防止法によって、18歳未満の子どもに対する虐待行為を禁止しています。
 

児童虐待にあたる行為

 児童虐待防止法によれば、次のような行為はすべて虐待に該当します。
 

身体的虐待

 殴る、蹴る、熱湯をかける、逆さ吊りにするといった、身体的な暴力を加える虐待です。
そのほか、寒い時期や台風の日などに外に閉め出す、といった行為も身体的虐待にあたります。
 

性的虐待

 性的な行為をしたり、させたりするタイプの虐待です。子どもにAVや性行為を見せる行為や性的な画像の被写体にするなどの行為も性的虐待に該当します。
 性的虐待の被害者に性別は関係ありません。また乳幼児の頃から被害にあう場合も珍しくないといわれています。
 性的虐待は虐待の中でもデリケートな問題です。虐待した人間に口止めされ、子どもが被害を打ち明けられないケースもあります。何か少しでも子どもの様子に変わったことがあったら注意したほうがよいかもしれません。
 

ネグレクト(育児放棄)

 子どもに対して必要な世話をしなかったり、放置したりするタイプの虐待です。
 食事を与えない、重い病気になっても病院に連れて行かない、車に乗せたまま長時間放置する、家に閉じこめるなどの行為が該当します。
 

心理的虐待

 言葉の暴力や態度によって、子どもの心を傷つけるタイプの虐待です。
 暴言や脅迫、大声で怒鳴る行為や子どもを無視する行為、兄弟間の差別などが該当します。さらに、子どもの目の前で配偶者に暴力をふるう行為も心理的虐待にあたります。
 

虐待としつけの違い

 子どもへの虐待は、親が「しつけ」のつもりでやっている場合も多いといわれます。
 たしかに子どもの教育上、悪いことをしたら叱るなどの「しつけ」は必要です。
 しかし、子どもの人格を否定するような発言をする、あるいは身体的な体罰を行うことは、「しつけ」の範疇から外れてしまいます。
 大人が子どもを力で自分の思い通りにコントロールしようとする行為は、「しつけ」ではなく虐待になってしまうのです。
 たとえば、子どもの受験勉強をみてあげたり、宿題をやらない子どもを注意したりするのは、子どもの健全な成長を助ける行為といえるでしょう。
しかし子どもの意思を無視して無理やり長時間の勉強をさせたり、「自分の言ったとおりに勉強しなかったから」と叩いたりする行為は、もはや教育でも「しつけ」でもなく、虐待にあたります。
 

「虐待かもしれない」と思ったときにやるべきこと

 それでは、配偶者の児童虐待が疑われる場合、子どもの親としてはどのように行動したらよいのでしょうか。
 

配偶者と話し合う

 配偶者側に「自分が虐待をしている」という自覚がない場合もあります。
 あるいは「ワンオペ育児で疲れ果てて、つい子どもにあたってしまう」など、虐待の加害者自身が悩んでいる……という可能性もあるかもしれません。
 こうしたケースでは、まず配偶者と今後のことや子どもの教育方針などについて話し合ってみるのもよいかもしれません。
 当事者だけで話し合うのが難しい場合は、家庭裁判所の夫婦円満調停を利用して話し合いを続ける方法もあります。
 夫婦円満調停は、夫婦関係改善のために行われる話し合いです。仲裁役である調停委員が当事者の話を相互に聞き取る形で話し合いが進められるため、冷静な話し合いがしやすいといわれています。
 また、夫婦円満調停で合意に至ったにも関わらず、配偶者に約束違反の行為があった場合には、その後の離婚手続きも有利に進められます。
 

別居する

 虐待を受けた子どもは、心身に大きな傷を負います。まずは子どもを守ることを第一に考えましょう。
 そこで、検討するべきなのが配偶者との別居です。距離を置くことで、とりあえず子どもを守ることができます。
 すぐに別居できない事情がある場合は、子どもだけでも先に避難させることも考えましょう。
 また自分もDVを受けている(あるいは受けるおそれがある)場合には、一刻も早く弁護士などに相談し、子供と一緒に逃げるべきです。
 

子どもへの虐待を原因に離婚は可能

 話し合いで事態を解決することが難しい場合は、離婚をも視野に入れる必要があります。
 子どもへの虐待は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するため、相手が離婚に応じてくれない場合には裁判で離婚を請求することも可能です。
 虐待の事実を証明するためにも、同居している間にできるだけ多くの証拠(写真、医師の診断書など)を集めましょう。
 

離婚時に慰謝料はもらえる?

 児童虐待は民法上の不法行為です。子どもへの虐待があったことを調停や裁判で証明できれば、慰謝料の請求が認められる可能性は高いといえます。
 まず虐待行為そのものに対する慰謝料については、児童虐待の被害者である子どもが請求権を持ちます。もっとも未成年の子どもは1人で慰謝料請求を行うことはできません。子どもが未成年の場合は、親が子どもに代わって請求するということになるでしょう。
 さらに児童虐待が原因で夫婦関係が破綻に至った場合は、離婚そのものに対する慰謝料請求も可能です。特に不貞、DVなどパートナーに他の問題行動も見られる場合は、慰謝料も高額になる可能性があります。
 

離婚後の面会交流について

 子どもがいるカップルの離婚では、離婚後の面会交流も問題になります。
 面会交流は、子どもが親権を持たない別居親と定期的に面会し、交流を持つことです。
 一般的には、別居親と交流を持つことは子どもの健全な成長にも役立つといわれています(そもそも子どもの幸せのために認められるのが面会交流です)。
 しかし虐待が原因で離婚した場合、虐待親と子供を面会させることが必ずしも適切と言いきれないところがあるかもしれません。
 子ども本人の意思も関わってくる問題ですが、このようなケースでは、面会交流の禁止・制限が認められる可能性があります。
も し不安なことがあったら、離婚の相談をするときに弁護士に訊いてみましょう。

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